コラム

覆面記者日記①-2008年冬の「あいりん地区」パート1

• 2010/05/02 印刷 このエントリーをはてなブックマークに追加 この記事をクリップ! twitterでつぶやく

ページ 1 / 2OSAKA(MRB.ne.jp)2010-05-03, 2008年9月15日に発生した「リーマン・ショック」以降、静脈物流の世界は一変した。急斜面を滑り落ちるように金属スクラップ相場は暴落し、それまでバブルに浮かれていた問屋の経営環境も著しく悪化した。上半期に稼いだ利益の多くは損失穴埋めへと消え、暴落の渦に巻き込まれたブローカー(中国向け輸出)の中には、忽然と消息を絶つ者もいた。
 (下グラフは、2003年1月~2010年12月までのH2炉前価格とLME銅銅場、為替相場の推移)

 
 
  「朝から携帯電話が鳴りっぱなしなんだ」ある輸出業者・仕入れ担当は、顔色を曇らせながら私に言った。2008年10月頃のことだ。「もう何年も取引していないような業者や、仲間からも電話がかかってくる…。開口一番、『買ってくれ』、『助けてくれって』って。でもな…」彼は眉間に皺を寄せ、首を大きく振った。「こっちだって人を助けている余裕なんかない!今は‘物’を持っているところが大損する局面なんだ!!」

 ■2008年12月。私は、静脈物流の源流、「あいりん地区」(大阪府西成区)にいた

 私の目の前を大型の雑種犬が走り去っていく。一定の速度を保ちながら、軽快なリズムを刻み、人々の間を迷いのない足取りで縫うようにして進んでいく。犬がどこに向かおうとしているのかが気になり


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